レポート・小論文を書く

『論文』形式の文章

大学では、さまざまな授業において文章で事実関係の説明や自らの見解を記述することが求められます。こうした文章を記述する際に文章作法を守ること、誤字脱字がないようにすること、適切な漢字を使用すること、「起承転結」「序論・本論・結論」といった文章の構成を整えることは当然ですが、その文章に求められていることが、何かについての情報を収集し、整理し、分析してなんらかの結論を出すことである場合、そうした文章のことを「論文」形式の文章と呼びます。このように「論文」とは単に何かについての説明ではなく、自らの主張を「なぜそうなのか」という根拠を示しながら論理的に文章で表現したものです。次のパターンは、論文の構成パターンの一例を示したものです(これと異なるパターンもあります)。

  1. 問題意識
    こういう問題・意見・研究(理論)などがある
    →それに対して自分はこういうことが言いたい(主張・批判・調査・理論の紹介など)
  2. レビュー
    今までどんなことが言われてきたのか,明らかにされてきたのか
    →それに対して自分はどのような立場を取るのか
  3. 論 証
    自分の主張の裏付け(理論・調査・統計・事例など)
  4. まとめ
    上記の2と3を比較して、[自分の主張の意義]と[今後の課題]を整理する

文章作法

  • 段落の頭は一マスあける
  • 一つの段落は内容的に一まとまりになるようにし、あまり長くなりすぎないようにする。
  • 行頭に句読点と 」 がこないようにする(ワープロの場合、禁則処理ができる)。原稿用紙の場合は前の行の末尾欄外に書く。
  • 行末に「 が来ないようにする。
  • 算用数字(1,2,31,55)などは、ワープロであれば半角、原稿用紙であれば1マスに最大2桁の見当で書く。
  • 算用数字と英単語は行末と次の行の頭で割れないようにする。
  • アルファベットは、ワープロであれば半角、原稿用紙であれば1マスに2文字の見当で書く(見て読みやすくなるようにする)。

引用

本や論文の文章や記事をあたかも自分が書いたかのように使用することは禁じられています。自分の文章の中で本や論文の文章や記事を引用する場合は、引用箇所を次の方法で明確に示すと共に、出典(どこから引用したか)を明らかにしなければなりません。

短い引用

文中で引用部分の前後を「  」で括ります。引用文で途中を省略する場合は......を使います。

例)

しかし、同時に梅棹は、情報関連装置群の発展は工業の発展とともに進行したのであって(例えば、工業がもたらした運輸機関、通信手段の目覚しい展開)、「けっきょくは情報の問題ではなかったのか。......工業とは、けっきょくは情報産業ではなかったのか」(梅棹忠夫「情報の文明学―人類史における価値の変換」)という疑問を呈している。

長い引用

前後を一行開けて、文頭を一列下げます。この場合は「  」で括る必要はありません。途中を省略する場合は、......(中 略)......を使います。

例)

例えば、通産省産業構造審議会による答申『90年代の通信政策ビジョン―地球時代の人間的価値の創造へ―』においては、「情報化への対応」として次のように述べられている。

情報化の急速な発展は、新たな財・サービスの提供、生産活動・企業間取引の合理化や新しい産業分野の開拓といった産業活動の面で変化が加速化するとともに、国民生活の向上、労働時間の短縮や労働環境の改善、地域の振興等に多大な貢献を果たす。

......(中 略)......

このように、情報化は、産業構造の柔軟性を一層向上させまた国民ニーズを迅速に充足させる上で将来の経済発展基盤確保の重要な鍵を握るものであり、これを協力に推進していかなければならない。(通商産業省編『90年代の通産政策ビジョン―地球時代の人間的価値の創造へ―』164-165頁)

こうした見解は、例えば、一方で日本社会の改造計画「四全総」として、他方では郵政省の「テレトピア構想」(1983年)、通産省の「ニューメディア......

参考文献の書き方

本、論文等を参照して文章を書いた場合は,文章の末尾に参考文献のリストを付け加える必要があります。記載の仕方は次の通りです。

[単著]

著者名『書名』出版社、発行年
例)佐伯啓思『産業文明とポストモダン』筑摩書房、1989年

[共著]

編者名『書名』出版社、発行年
例)濱口恵俊編著『高度情報社会と日本のゆくえ』日本放送出版協会、1986年

[翻訳]

著者名『書名』翻訳者名、出版社、発行年
例)アルビン・トフラー『第三の波』徳山二郎監修、鈴木健次他訳、日本放送出版協会、1980年

[論文]

著者名「論文タイトル」(『雑誌名』何巻何号、何年何月、発行所名)
例)伊藤陽一「情報化社会論の新展開」(『法学研究』第56巻第8号、1983年、慶應法学会)