現代文学の展望
世の中は、経済や教育や政治や行政や医療や科学技術やメディアや、さまざまな環が複雑精妙に重なりあってできています。
文芸も、それらの環の一つです。
ただし、ある特徴があります。
それは、どの環よりもひろく(宗教の環よりもひろく)世の中を囲むということ、世の中のいちばん遠いヘリから世の中を映し出すということです。
文芸ほど、自由で、貪欲で、柔軟な環はありません。でも、文芸はまだまだ世の中の真のおもしろさや不可思議さを、充分に映しきっていません。世の中のおもしろさや不可思議さに、文芸は充分に追いついていません。
書くためには、読まないといけない。読むためには、書かないといけない。そして、書くためにも、読むためにも、自分の内面や身近な人間関係だけでなく、世の中に眼をひらかないといけない。
私は編集者・批評家・作家の三つの立場で文芸とかかわってきた経歴を生かして、みなさんの学びのお手伝いができればと思います。