第11回 東海大学湘南フィルムフェスティバル

学生記事 「その前夜」

ステージ準備

 2011年6月の第一金曜日、第11回フィルムフェスティバル実行委員会は活動を始めた。総勢二十名弱。静かな発足だった。宇田川卓哉実行委員長を筆頭に、二人の副委員長、さらに総務、広報、会計、制作・HPの各班に振り分けられ、それぞれ班長を決める。今年は一年生が少なかったが、それを補って余りある熱気が顧問である寺田農先生の研究室に充満していた


 例年であれば、委員の初仕事として上映作品の推薦がおこなわれるのだが、今年は若き日の寺田先生が主演した『肉弾』を上映することが決まっていた。それに伴い、去年とは比べ物にならないほど、速いテンポで準備が整っていく。


 制作・HP班は、ポスターやチラシ、パンフレットの作成と、映画祭に関する記事を作っていった。映画にあった色や文字など、できるだけ工夫をし、かつシンプルでわかりやすいものを目指した結果、今年のポスターとチラシが完成した。


 会計班はまさかの一人だけという事態になったのだが、しっかり予算を管理し、その中で会場の手配や印刷費などをうまく配分してくれた。陰のMVPである。


 去年の反省から、今年は広報活動に力を入れるという方針を立てた。総務班と広報班は、見事にその役目を果たしたと云えよう。総務班は付属校や新聞社などに掲載の依頼をし、遠方であっても現地に足を運んだ。広報班は近隣の店や小田急と交渉し、ポスターとチラシの配布をお願いした。時にはアポイントメントを取らず、なりふり構わずに交渉をし、それが功を奏したこともあった。


 活動中は上級生からの助言を最大限生かした。うまくいかず、煮詰まったときに、オブザーバーとして的確な意見をもらい、何度も助けられた。その存在があったからこそ、委員もしっかりと仕事をこなすことができた。いくら感謝しても足りないほどだ。


 委員長はすべての班の進捗状況を把握し、映画関係者との調整、印刷業務課などの学校側との折衝、ポスター作りや店張りの依頼など、多岐に渡る活躍を見せた。実行委員には自由奔放な仲間が多かったが、いざとなると誰もが素晴らしい働きをみせた。


 時は流れ、映画祭前夜。さまざまなアクシデントを乗り越え、リハーサルまでこぎ着けた。会場設営、映像や音響の確認が終わり、残すは本番のみとなった。委員の顔を見渡すと、期待と不安が入り交ざった表情。しかし、ほんの少しかも知れないが、これまでの経験で得た自信も見て取れた。


 あの六月の研究室の熱気が、すでに会場全体に広がっていた。

受付準備 ポスター準備 会場風景

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