第10回 創作コンペティション受賞作発表

 第10回創作コンペティションには、27編の作品の応募がありました。
 2011年4月7日、辻原登、伊井直行、室井光広、堀啓子、山城むつみ、三輪太郎の6人の委員による選考の結果、今回の受賞作は下記のように決定しました。

優秀作
『ゾウと葡萄酒』  金井沙樹さん   (文芸創作学科)
佳作
『隣の流星達』   備家悠一郎さん (文芸創作学科)
『虫』         三澤楓さん    (文芸創作学科)

受賞者 受賞者

受賞者の言葉

〈優秀作〉『ゾウと葡萄酒』  文芸創作学科 金井沙樹さん

 文芸創作学科に入って、私はずっと文章で何かを表現したい、と半ば衝動のような思いを抱きながら、悶々と学生生活を過ごしてきました(笑)。 しかし自分の書きたい「何か」の周りをうかうかぐるぐる回っているうちに、月日はあっと言う間に流れ、これでは何も書けないまま大学生活が終わってしまう! と三年目の春休みに唐突に雷のような焦りに苛まれた私は、四年生を目前にようやく一念発起し、きちんと一つの作品を完成させて、学科主催の文芸コンペディションに提出することを目標に執筆を始めました。丁度書いている最中に東日本大震災が起こり、混乱の中で不安をぶつけるように最後まで一気に書きあげた、結果としては色々と拙い所だらけの作品になりましたが、自分の中の生きた「何か」は、ほんの少しでもお話のどこかに宿すことができたかなと思います。思いがけずこのような賞を頂けてうれしいです。ありがとうございました。

〈佳作〉『隣の流星達』 文芸創作学科 備家悠一郎さん

 文学の力はきっとどこかにあるのだろう。だから本を読んでいけばいつかは蓄積され認識できるようになるだろう。そんなモチベーションで楽観的に三年間文芸創作学科に所属してきたような気がする。 3.11を境に自分の認識の弱さ、甘さに直面させられた。多くの方々と同じように無力な己を責めた。「小説なんか書いている場合じゃない」真っ直ぐに強く湧き上がり、もどかしくなった。 けれど結局実家から独り暮らしのアパートへ戻り、計画停電に怯えながらせこせことこの作品を書いた。結果佳作という賞を頂き、嬉しい気持ちと共に、次は優秀賞を取ろうと決意した。一位が欲しいから、ライバルに負けたくないから。そんな表向きの理由の中に、どこかで文学の力を信じ求めているのだと思う。 ありがとうございました。

〈佳作〉『虫』 文芸創作学科 三澤楓さん

 文芸創作学科を志望したのは『読書が好き』という平凡な理由だったのですが、実際に入ってみると、誰もが文学へと真剣に向き合っていて、自分に熱意が足りなかったことを痛感しました。 私も胸を張って文芸創作学科と言えるような何かがしたい。そう考えて今回の創作コンペティションに参加したら、思いがけず佳作という評価を頂くことができました。こういったものに自分の作品を応募するのは初めてだったので、本当に嬉しかったです。 改めてこの学科で精進していこうと決意を強めました。

創作コンペティションとは

 創作コンペティションは、学生の創作への意欲を作品という形にし、互いに刺激しあう場として2001年度に創設したコンクールです。文芸創作学科の学生でなくても東海大学の学生であれば、在学生、卒業生を問わず応募できます。

 過去の受賞作品は下記のとおりです。

第1回 佳作 『ボレロ』小林正和(文芸創作学科)
第2回 優秀作 『クラウン』原田祥子(文芸創作学科)
佳作 『冬の梅』楠見貴子(文芸創作学科)
『並列の海』原元太(文芸創作学科)
第3回 受賞作なし  
第4回 優秀作 『四年間という』高口公輔(歴史学科)
佳作 『小焼けの子』飯田玉美(文芸創作学科)
第5回 優秀作 『うぶ』綱島啓介(文芸創作学科)
佳作 『ゴールドフィッシュ』小林千恵(文芸創作学科)
『アルバイト』竹田信弥(文芸創作学科)
第6回 優秀作 『証明写真』小川博子(文芸創作学科)
佳作 『桜の家』岡部哲也(文芸創作学科)
『硝子の骨』小林千恵(文芸創作学科)
『僕ん中』竹田信弥(文芸創作学科)
第7回 優秀作 『ゆきはし』小林千恵(文芸創作学科)
『嘘だと言ってくれ』平野結希(医学部医学科)
佳作 『HANDS ON SKIES』山浦崇広(文芸創作学科)
第8回 優秀作 『いずれかである』大山アラン(文芸創作学科)
佳作 『サラダの行方』塚原靖(文芸創作学科)
第9回 優秀作 『炎熱』松野将太(文芸創作学科)
佳作 『邂逅』粕谷優子(文芸創作学科)
『ペイン』小澤裕太郎(アメリカ文明学科)
『春』吉澤祥太(文芸創作学科)
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