第4回 文芸創作学科 卒業制作優秀作品発表会


 2011年2月4日、東海大学湘南キャンパスで文芸創作学科の「第4回卒業制作優秀作品発表会」が行われました。今年も学年問わず多くの学生が集まり、普段と変わらず賑やかな声が溢れていました。一方、発表を控えた先輩方はと言うと、先生や友人達と談笑している間もやはり緊張している様子でした。
 定刻になり伊井直行先生が挨拶を始めると、それまでざわついていた会場は一瞬で静寂に包まれました。その雰囲気からは、この発表会に対する学生達それぞれの意気込みが感じられました。進行側として参加していた私も、先輩方の発表から何か一つでも吸収できれば良いなという思いでした。 発表は各ゼミから1人ずつ、計5名が行います。持ち時間が限られている中、皆さん大変質の高いプレゼンテーションでした。ここでは、拙いですが私の感想と共にご紹介します。








◆優秀作品賞:我妻洋平「三島由紀夫の沈黙」
 …三島由紀夫『豊饒の海』論という難しい内容でしたが、あまり知識のない私でもこの論考は群を抜いて完成度が高いと感じられました。

◇優秀発表賞:久保香織「翻訳をめぐって」
 …「翻訳雑記」と題し、アンデルセン童話の翻訳を通して感じたことをエッセイ風に発表されました。聴衆を上手く引き込むその語り方は、ぜひ参考にしたいと思います。

・藤又永「ゼトンの都市」
 …私はこの小説からどこか息苦しさと恐ろしさを感じ、会場全体がその雰囲気に呑まれる感覚を覚えました。一部抜粋の発表でしたが、作品の魅力は十分に感じられました。

・高橋一平「閾(しきい)を超える物語」
 …翻訳の可能性と限界について論じられ、私的に一番関心を持った内容です。「翻訳の可能性と限界は、人間の可能性と限界でもある」という言葉が印象的でした。

・若林南美「『ボヴァリー夫人』エマの頭の霧の中へ」
 …「実際の霧と同様の現象が、エマの頭の中でも起きているのではないか」という考えを、黒板を用いて分かりやすく論じられていました。




 発表後にはそれぞれ質問の時間が設けられ、1年生から3年生の学生達からの質問では、自分の卒業制作に活かそうという姿勢が感じられました。途中で気が緩むこともなく、全員が最後まで集中して耳を傾けていました。
 振り返ってみれば約3時間半という長丁場でしたが、そうとは思えないほどあっという間に感じる充実した発表会であったと思います。
 その後に行われた表彰式と立食パーティでは、打って変わって皆さんリラックスしている様子でした。受賞者のコメントでは久保さんの「危険な目に会ってみてください」という発言に、会場が驚きと笑いに包まれました。
 先輩方の作り上げた作品はどれもレベルが高く、誰が受賞してもおかしくなかったと感じます。そんな先輩方からバトンを受け取り、私も良い卒業作品が出来るよう全力を尽くしていきたいと思います。

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