シンポジウム「大学生がよむ50冊」

 2008年5月31日(土)「大学生がよむ50冊」シンポジウム(毎日新聞社後援、紀伊國屋書店協賛)が湘南校舎松前記念講堂にて開かれた。本を読むことの大切さはわかっているが、本屋に行ってみたら本があふれており、何を読めばいいのかわからないという私たちの悩みに応えるべく企画されたシンポジウムである。文芸創作学科の教員5人と特別ゲストの川上未映子さんが事前に挙げた約150冊のリストの中から「大学生がよむ50冊」を絞り込むというものだ。


 上記の6人をパネリストに、毎日新聞東京本社学芸部長、重里徹也氏の司会のもと午後1時半からシンポジウムは始まった。

 当日は、350人以上の聴衆が来場し、会場はほぼ満席であった。学生はもちろん、一般の方々も多く来場していた。聴衆はメモをしきりに取ったり、パネリストの言葉に聞き入ったりと熱気に満ちた雰囲気であった。

 間に休憩を挟んで、4時間近くの間、白熱した議論が繰り広げられ、無事に50冊が選定された。そのリストには、日本文学、海外文学の名作はもとより、哲学や人文思想など幅広いジャンルの古典が含まれている。どれもが「珠玉」の名著、名作と言っていいだろう。

 学生から寄せられた感想によると、どんな50冊が選ばれたかという結果もさることながら、「先生たちの議論の様子を見るのが楽しく、勉強にもなった」、「時間を忘れ活き活きと語るパネリストたちを見聞きするのは幸福だった」など、その50冊を選定するプロセスそのものに意味を見出しているようだった。

 ロビーでは、候補に挙がった本を紀伊國屋書店が販売しており、シンポジウム終了後は、希望の本を買い求める聴衆で賑わっていた。


 シンポジウムの様子は6月22日(日)の毎日新聞朝刊に掲載された。また、湘南ケーブルネットワークのニュース番組「情報カフェ湘南館」でも放映された。

学生の声から

歴史を伝える作業。五月三十一日に行われた「大学生がよむ50冊」シンポジウムにおいて、約150冊のリストの中から50冊を絞り込む作業は困難を極めた。それはパネリスト六人が誠実に、我々と向き合って歴史を伝えようとしたからに違いない。 熱のこもった三時間半の講演中、一冊の本をめぐる議論は度々パネリスト六人諸氏それぞれのパーソナルな体験へとすり替わってゆき、便宜的な本の紹介というよりもその感動を伝えることにこそ重点が置かれているように思えた。そして表現者であるパネリスト六人の個人史に加えて、ドストエフスキーを読んだフロイト、ゲーテを読んだドストエフスキーの個人史まで垣間見え、「読書は事件だ」という川上未映子氏の発言がとても印象的に思えた。 1年生

スタンダールというペンネームのスタイリッシュさに惹かれた。 1年生

文学が宇宙(ユニヴァース)なら、読書は星の征服である。実際、私は作家や作品を星に見立て、征服・攻略する感じでこれまで読書してきた。 今回のシンポジウムは、今後の宇宙征服計画の作成に大いに役立った。「これに行ったら次はこれ、そんな足場みたいな作品」(長谷川先生)が多いのが何より有難かったのだ。 2年生

『古事記』を外すなと叫ぼうかと思いました。 2年生

本はスポーツだ。なまる前に脳を運動させ続けなくてはならない。決して悪い方向に働くことはない。私は今まで読み方を間違えていた。読書経験が浅いのに、自分の好きなジャンルを選んでいた。どんな本でもいいのだ、手当たりしだい貪欲なほどに読み漁るべきだ。訓練なんて苦しそうなものではない、自分の快感の幅を広げ、限りある時間を豊かにするためだ。  さぁ、本屋に行こう。『きりぎりす』を買うために。 1年生

予定より1時間も延長されたというのに、ほとんど途中退席者がいなかった。 1年生

今回のシンポジウムに不満はある。しかしそれは、次があれば自身らも参加したいといった類の不満だ。ごく個人的な感想を述べれば、好きな本が落とされるたびに壇上へと飛び込んで「いや、この本は必要だろう!」と叫びたくなる衝動を幾度となく堪える必要がある、素敵な企画であった。 2年生

シンポジウムを拝聴して思ったのは、私はまだ文学というものに触れていないということです。先生方の話を聴いているうちに、まだまだ読みたい本があり読まなければならない本があることに気づきました。 2年生

近所のカフェで、閉店後の店内を借り切って朗読会を開催している。その柱企画として読み始めたのが『失われた時を求めて』だ。 3年生

今回のシンポジウムを聴いて、強く思ったのは、若いころに出会ったものは、その人の人生に決定的に刻み込まれるということです。 4年生

自分の推す作品について時間を忘れ活きいきと語る壇上の先生方や川上さんを見、感じるだけでも僕ら学生にとっては幸福な時間だった。 2年生

Copyright© since 2001 TOKAI University Department of Creative Writing All Rights Reserved.