第2回 文芸創作学科 卒業制作優秀作品発表会

プログラム(2009年1月31日土曜日3限〜4限)
- 1)澤村朋世:庭園都市としての江戸の形成(論考・長谷川櫂ゼミ)
- 2)馬上幸子:ケータイ小説とポストモダン文学(論考・堀啓子ゼミ)
- 3)竹田信弥:賢治ノート――銀河と鉄道の使い方(論考・山城むつみゼミ)
- 4)笠原えり子:いま桜と向き合う――私の花伝書(論考・辻原登ゼミ)
- 5)山浦崇広:「上天の光」(小説・伊井直行ゼミ)
- 6)江田祐人:時間と対照性――ホフマンスタール試論(論考・室井光広ゼミ)
2009年1月31日、文芸創作学科の卒業制作優秀作品発表会が行われました。当日は自由参加であったにも関わらず、会場となった教室には多くの学生が集まっていました。発表を控えた先輩方はやはり緊張しているようで、ピンと張り詰めた空気が部屋中に漂っているのがわかります。
定刻になり、学科主任である伊井先生が開会の挨拶をされ、すぐに澤村さんの発表が始まりました。マイクを通した声が響き渡ると、それまでのざわついていた空気が一変して静寂に包まれました。特に1年生から3年生までの学生は、自分たちが卒業制作に取り掛かる際の参考になるものがあればという思いもあるようで、集中して耳を傾けていました。記者として出席した2年生の私も、先輩方の作品から何か吸収できれば良いなという思いでした。
各ゼミから1人ずつ、計6名が順番に発表しました。皆さん大変充実したプレゼンテーションでした。私は、着眼点の面白さからタイトルの段階で既に惹きつけられ、どんどんとそれぞれの内容に引き込まれていきました。特に、山城ゼミの竹田信弥さんの発表「賢治ノート――銀河と鉄道の使い方」が印象に残っています。竹田さんは「銀河鉄道」という一つの言葉を「銀河」と「鉄道」に分け、作品自体も銀河的なもの(メルヘンチックなもの、文系的なもの)と鉄道的なもの(科学的なもの、理系的なもの)にカテゴライズできるとし、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、対立するふたつの要素が共存する作品であるというものでした。
また、皆さん内容だけでなく発表方法にも工夫が見られました。聞く側の人間はつい内容に重きを置いて受け取りがちです。しかし、パワーポイントを駆使したり、プリントに絵や地図を載せて配布したり、模造紙に部屋の見取り図を書いて見せたりと視覚効果も考えられていて、発表のスタイルそのものがひとつの立派な作品になっていることに驚きました。こうして各々の発表が終了し、今年度の発表会は幕を閉じました。開始から3時間が経過していましたが、そうとは思えないほどあっという間に感じました。
そのあとは松前会館に場所をかえ、表彰式と立食パーティが行われました。こちらでは発表会の厳かな雰囲気とは反対に、皆わいわいと盛り上がり終始リラックスしている様子でした。表彰の結果は、優秀賞が伊井ゼミの山浦崇広さんと山城ゼミの杉本明子さん、優秀発表賞が辻原ゼミの笠原えり子さんでした。伊井先生が、甲乙つけがたしとおっしゃったように、私も誰が受賞してもおかしくないと感じていました。先輩方の残したもののレベルの高さを肌で感じることができ、この感動を動力にして私も卒業制作に挑戦したいと思います。
- 記事作成:山川恵実(文芸創作学科 2年)
- 写真撮影:川口翔吾(文芸創作学科 3年)